【記事】子供の写真を笑顔で撮るには

出張ロケーション撮影をしていると広々とした屋外でお子様がのびのびと楽しんでいる姿を撮影させていただくことが多くあります。ロケーション撮影に限ったことではありませんがお子様が笑顔で写真に写ることを最優先させる方は非常に多いと思いますし、撮影する側からしてもやはり笑顔の写真は素敵だと思います。しかし100%誰でも笑顔になるという保証はなく、大人でも写真を撮るから笑顔になってと言われても難しいのに、まして写真を撮る理由がよくわからないまま撮影に臨んでいる小さなお子様の場合は撮影のためにカメラマンに笑顔を向けたもらうことは非常に難しいことです。

それではお子様が笑顔で写真に写るにはどのようなことに気をつければ良いでしょうか。撮影者としてのコツではなくその場に立ち会っていただくご家族にできるコツを、七五三などで出張ロケーション撮影を今までしてきた中で感じたことを交えながらご紹介します。

お声がけ

撮影していると親御さんやおじいちゃんおばあちゃんがよく「カメラ見て笑って!」「まっすぐ立ってこっち見て!」など撮影中のお子様に声をかける場面があります。プロカメラマンに撮影してもらうので当然モデルのように笑顔で素敵に写った写真が欲しいと思います。しかし実はこのお声がけによってお子様の表情がみるみる曇っていくのを何度も体験しています。なぜ親しい家族から笑って欲しいと言われて表情が逆に曇るのでしょう。お子様の動向を観察していると以下のような理由なのでは?と思います。

頑張っているのに認めてもらえない

実はお子さんは写真に撮られるよう自分なりに表情やポーズを作っているのかもしれません。モデルではないので第三者から見るとぎこちないかもしれませんが、本人はみんなに喜んでもらえるよう一生懸命かもしれないのです。そんな時に「カメラ見て笑って!」や「まっすぐ立ってこっち見て!」といった声は「それでは全然ダメ!」に変換されるのではないでしょうか。それによって自信をなくす子、反発する子、嫌になってしまう子、悲しくなる子など、お子様によって心の変化は様々ですが、「よしじゃあもっと頑張るぞ!」という気分になる子は限定的です。

ですので撮影の際に一見カメラマンの指示に聞く耳を持たず他ごとばかりしているように見える場合もお子様なりに考えがあってのことかもしれませんし、うまく誘導するのはカメラマンやスタッフにおまかせいただくのが良いかもしれません。

緊張してしまう

また上記のようなお声がけの場面を違う角度から考えた場合、被写体であるお子様が撮影者であるカメラマンやアシスタントに加えカメラ側から自分を見つめるご家族に囲まれている構図になります。つまり自分を大勢が囲んで見つめているという状況です。おそらく同じような状況だと大人子供関係なくみんな緊張すると思います。緊張すると笑いたくても笑えませんしその場から逃げたくなってしまうかもしれません。

「笑って!」などのお声がけを控えていただくのも重要ですが、お子様を緊張させないような立ち位置で見守っていただくのが良いかもしれません。

褒めてあげる

撮影時にお子様にまったくお声がけをしないのも不自然かもしれません。撮影と日常を区別しすぎても緊張感が増すばかりだと思います。もしお声がけをする場合は撮影をしていてうまくできた時もうまくできていない時も「かっこいいね!」「可愛いね!」「上手だね!」などテンションを上げていただくのが、お声がけによる効果的な方法だと思います。「子供を褒めて伸ばす」という教育方針には賛否があるかもしれませんが、あくまで一時的な写真撮影用として大袈裟にお子様のテンションの上がるようなお声がけをしてみてはいかがでしょうか。

お菓子で釣るのはNG?

お子様がうまく撮影できない時によくあるのがお菓子で釣るパターンです。写真の観点から言うと口元が汚れたり口がモゴモゴしたりするためあまりおすすめはできません。また効果も一瞬で、お菓子を食べる瞬間にじっとするから写真が撮れるかのように思われますがそのタイミングでお子様が笑顔になるのは不可能に近いため有効な方法ではありません。さらに一度お菓子を食べ始めてしまうと満足いくまでお菓子を要求しますので、逆に撮影どころではなくなってしまうことの方が多くなります。

疲れた時は有効

しかし撮影は長時間になることが多く、大人でも疲れてしまうので小さなお子様はもっと疲れてしまうと思います。撮影の合間に休憩を入れてお菓子やドリンクで体力回復や気分転換をしてもらい撮影疲れしにくくするのは有効的な手段です。

用意するお菓子に注意

ということで、お菓子の用意はしておくのがおすすめです。ただし用意するお菓子の種類には気をつけましょう。

おすすめのお菓子

  • ラムネ
  • ボーロ
  • グミ
  • 小さめのビスケットやクッキー

など、一口サイズですぐに食べられるもの

おすすめできないお菓子

  • アメ
  • チョコレート
  • ガム
  • ゼリー
  • ポテトチップスなど大きい袋のお菓子

など、食べ切るのに時間のかかるものや手や口元が汚れやすいもの、その場で広げて食べるのが大掛かりになるもの

お菓子を食べる休憩時間が確保できるよう撮影の所要時間に余裕を持たせることも重要です。

ご褒美と交換条件

こちらもお子様の撮影でよく見かける場面で、お子様が少しぐずった際に「これ頑張ったら〇〇買ってあげるから」という交換条件を提示される親御さんがいらっしゃいます。実際におもちゃなどをお子様に買ってあげること自体は何も問題ないのですが、撮影中に良かれと思ってこのような交換条件でお子様を釣ろうとすると逆効果のことがあります。

ゴールの見えない頑張り

交換条件を提示された場合、お子様には撮影を頑張る目標や目的ができます。ですから今撮影しようとしているものに関しては一生懸命頑張るかもしれません。しかし七五三などの撮影はさまざまな場面を撮影しますので目先の1カットが終わってもまだまだ先が長い場合があります。普段お父さんやお母さんがスマホでお子様を撮影する場合は数枚撮影したら終了のことが多いと思いますが、カメラマンの場合は同じ場面で笑顔を引き出しながら撮影したりアングルを変えながら撮影しますので撮り終えるまで時間がかかることがあり、お子様からすると目標はあるけどそれを達成するゴールがまったく見えない状況に陥ってしまい結局撮影が嫌になってしまいます。

あと◯枚撮ったら終わり

またせっかく交換条件を出したにも関わらず、撮影がなかなか終わらずお子様の集中力が切れてしまった場合の次なる一手は「あと◯枚撮ったら終わりだから頑張って」といったお声がけです。お子様を奮い立たせるべく掛けていただく言葉だと思いますが、カメラマンも納品枚数分の写真を撮影しなければというプレッシャーからその言葉通りのシャッター回数で終われないことがあります。結果約束を反故にしてしまいお子様からの信用を失うことになりかねませんので、独断で撮影の終わりを示唆するのは避けられた方が良いかもしれません。

最適な方法

では具体的に何か方法はあるのでしょうか?
カメラマンやアシスタントがうまくお子様をあやしたり、誘導する方法にはいろいろな方法やコツがあり目には見えない商売道具だったりします。アイテムを使った誘導もそれらを使うタイミングや絶妙な使い方はプロの技と言えるでしょう。それらを親御さんに伝授して実践してもらうというのは現実的ではありませんし、お子様一人一人が違った性格なのでカメラマンやアシスタントも撮影を進める中でそのお子様に合った有効な手段を模索しているのが実情だと思います。ではご家族が撮影時にお子様が笑顔になるよう取り組んでいただく最適な方法はなんでしょうか?

スタッフとのコミュニケーション

お子様がうまく笑えない時はカメラマンやアシスタントに対して警戒心を持っているのかもしれません。人見知りのお子様の場合は普段会わない人に会って恥ずかしいということもあるでしょう。そんな時信頼するお父さんやお母さんと仲良くコミュニケーションをとっている人であれば警戒心や恥ずかしさも和らぎます。もちろんこの点についてはスタッフの方から積極的に親御さんにコミュニケーションをとるべきですので、世間話などに耳を傾けていただくだけで大丈夫です。

チャンスがあれば

もし事前にカメラマンやアシスタントとお子様が会う機会を設けられる場合は実際に会っていただくのがベストです。きっとプロなのでお子様が撮影当日を楽しみにするようなコミュニケーションをとって本番での警戒心や人見知りを和らげてくれると思います。

そっと見守る

お子様だけで撮影している際は写らない程度の場所でそっと見守ってあげましょう。場合によっては撮影されている子の様子よりも他のことに目が行っているフリをするなど素知らぬ素振りがお子様の緊張をほぐすかもしれません。お子様が孤立しない程度に離れてあとはスタッフがうまく表情を引き出してくれるのを一緒に楽しんで下さい。

笑顔以外も許容

七五三などのロケーション撮影はもらえるカット数が多い場合がほとんどです。最初から最後まで笑顔だけの写真より何かに夢中になっている様子や、物思いに耽るような仕草、キリッとした表情などさまざまな写真があると見応えがより一層大きくなります。序盤にお子様が笑っていなくても焦らずスタッフを信じて撮影に臨んでいただくうちに笑顔になるタイミングはきっと来ると思います。

万人共通のテクニック

お子様もそれぞれに感情を持った人間です。機械のようにあれをすれば笑う、これをすれば笑うというものではないのが現実だと思います。もし普段から鉄板で笑うネタなどがあればカメラマンと相談してうまくそれを撮影の際に行うなど工夫が必要です。

いろいろな方法で楽しんでいただきます

岐阜エリアや西濃エリアで出張ロケーション撮影を行なっているココロクラフトでは撮影時にお子様が笑顔になれるようさまざまな方法を実践しております。単に面白いものを見せて笑わせるのではなく、お子様の目線になってその日の撮影が心から楽しめるよう演出いたします。また笑顔でカメラ目線の記念写真だけでなくロケーション撮影ならではの雰囲気の写真になるよう時には遠くから隠し撮りのごとく撮影したりなどいろいろな写真を撮影いたします。ぜひ岐阜エリアや西濃エリアで出張ロケーション撮影をご検討の際はココロクラフトまでご連絡下さい。

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