【記事】カメラマン選び その2
どのようなカメラマンか知ったうえで依頼するのがベストですが、誤った先入観でカメラマン候補を絞ってしまう場合があるので注意が必要です。
実際に勘違いしやすい先入観と本来重視すべき要素について解説します。
判断基準にしがちなもの
性別
カメラマンにも当然性別があります。性別で差別をするのは良くないですがやはり男性カメラマンには男性ならではの女性カメラマンには女性ならではのそれぞれ良さがあるかもしれません。しかし誤った認識だと後悔することもあります。
よく耳にするのですが、子供が男性(または女性)が苦手だから・・・という理由でカメラマンの性別を絞るのはNGです。お子様が笑顔になるかならないかは性別以上に相手の人柄や言動によることが多く性別は関係ありません。子供が心を開くかどうかは実際にカメラマンに子供を会わせた時の空気感を垣間見るのが最も信憑性が高いと言えます。性別で候補を絞る前にチャンスがあれば依頼前に直接会えるカメラマンを探すのが最善です。
年齢
年齢もカメラマンによりさまざまです。年齢が高ければキャリアが長く信頼できるのか、若ければ今時の流行の写真を撮ってくれるのか、実際には蓋を開けてみないとわかりませんので可能な限り過去に撮影した写真をいろいろ見せてもらうのが最善です。ただし注意点としてはサンプルやポートフォリオの写真は選りすぐりが集められていることが多いので自分たちと同じ状況下での撮影された写真を見ることが重要です。
肩書き
カメラマンやフォトグラファーという職業は技術を伴う作業にも関わらず実は必須の資格や条件が存在しません。言い換えると誰でもカメラマンを名乗ることができます。そのため肩書きや受賞歴などはカメラマンの実力を知るうえで一定の信憑性があります。しかしそれらは実際の業務と乖離している可能性もあります。
例えば普段モデル撮影をメインに行なっている有名なファッションカメラマンが家族写真や子供写真を撮影するのは不得意な場合がありますのでそのような撮影の依頼には不向きでしょう。またコンクールなどは一般のお客様の目線とは違った審査基準の場合があるので受賞歴が多いからと言って自分たちの求める写真を撮影できるかはわかりません。当然カメラマンとしての地位を確立するため日々精進した賜物ですから受賞歴があることは素晴らしいことですが、検討材料の一つに留めておくのが無難です。
ファッション
カメラマンはクリエイティブな職業で芸術的センスを必要とし、ちょっと変わった人や奇抜な人が多いイメージがあるかもしれません。またその方がカメラマンとしての箔があるように感じ、生粋のカメラマンは個性的でファッショナブルだと勘違いしがちです。個人のファッションはあくまでその人のセンスでありカメラマンも他の職業と同じくさまざまな人が存在しますので、外見だけで実力を推し量るのは少々早計です。
何で判断するのが良いか
ではいったい何で判断するのが良いのでしょう?いくつか判断基準を挙げてみます。
得意分野
カメラマンはプロフィールに得意な撮影を挙げていることが多々あります。一口にカメラマンと言ってもスポーツ、報道、人物、風景、モデル、一般の人、動物、建物・・・など携わる撮影や被写体はさまざまですべてを得意とするカメラマンはほぼ存在しません。それぞれの撮影にノウハウや自ら編み出したコツがあり撮影時はそれらを駆使して撮影するからこそ素晴らしい写真になります。ですから本人が得意と謳う撮影が自分たちの求める撮影である必要があります。
人柄
どんな人柄がカメラマンとしてふさわしいかではなく、自分たちとフィーリングが合うか合わないかが重要となります。真面目でストイックゆえに寡黙なカメラマンなので撮影時の盛り上がりが今ひとつ欠けるのは嫌な人にはそのようなカメラマンは向いていないかもしれませんし、なんとなく軽いノリのカメラマンで冗談を交えつつ撮影してくれるけど自分たちがそのノリに付いていくのは疲れるなんてこともあるかもしれません。無理なく自分たちが撮影に臨めるような人柄のカメラマンが理想です。
口コミや評判
周りに同じような撮影をした人がいる場合はどこのカメラマンに撮影してもらってどんな感想なのかを聞いてみるのも大切です。間接的ではありますが忖度のない評価を聞くことで実際の撮影から写真の仕上がりまでを想像できるかもしれません。
活動エリア
活動エリアが広いカメラマンもいれば狭いカメラマンもいます。活動エリアの範囲と場数やキャリアは比例しませんが、自分が撮ってもらいたい場所での撮影経験が少ないよりは多い方が良いと思います。バランスを見て候補を出しましょう。
信念
確認するのが難しいですが、写真に対しどのような信念を持っているのか垣間見ることができるとラッキーです。ただ写真を撮って報酬をもらうだけではなく何かしら自身の考えに基づいて本気で撮影に向き合ってくれるかどうかが重要です。共感できる考え方であればさらに素晴らしい撮影になるでしょう。ただし頑固だとそれはそれで困るかもしれませんので、依頼主のニーズに柔軟に対応してくれるかという点も見逃さないようにしましょう。
まとめ
インターネットやSNSが普及してカメラマンの依頼は本人に会わなくてもメールひとつで可能な時代になりました。しかし撮影は撮る側のヒトと撮られる側のヒトのコミュニケーションによって成り立つものであることは変わりありません。信念まで確認することは容易ではありませんが上辺の情報だけでカメラマンを選ぶのではなく実際に会うことができる場合は会って話をしてみるのが撮影成功への近道となります。
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